房総の家

所在地  千葉県
延床面積 275.82u (83.4坪)
  母屋 242.70u
  離れ   33.12u
主体構造 木造2階建て
施工会社 (株) 保川建設

調査・設計期間 
     2009.03〜2009.06
施工期間 2009.06〜2009.12

 


bousou

再生前

 


■再生にあたって

閑静な森の中に建つ旧家は、時代と共に過疎化した集落の中の1軒で、使用されなくなって約2年たった民 家の改修依頼である。
建物は700坪程の大きな敷地の中にある。
和瓦をのせた入母屋造り屋根の典型的な房総の昭和初期の和風住宅である。
 

クライアントの要望は、週末住宅として風呂を楽しむための大きな浴室とサウナ、温水プールとそのプール サイドにオーデオとビデオのためのシアターリスニングルーム、などを組み込むことであった。


この家のクライアントは日本駐在中のカナダの方である、我々日本人よりも日本の昔の文化の良さを外から見 て、その魅力を敏感にとらえる感覚が優れているようだ。忙しい現代人がつかの間の時間にリフレッシュするため、民家に最新な設備を組み込み別荘とする民家再生で ある。
 

建物のコンバージョン(建物の用途変更)をここで考えてみると、
建物の用途変更は昔からされていながら注目度が低いものの、普段の生活の中では、物の変更はごく普通に行われてきている、衣生活では、たとえば、和の着物 を洋服にリフォームしたり、裂地を織物へのパッチワークなどにするなど、物を他の用途に変えて使い続ける行為は、貧しい時代の習慣とか生活の知恵とかで かたずけてしまうには惜しい。
豊かな生活の理念に基いて他の用途に転じることで、素材のもっている質が本来のものよりも馴染むものだったり、潜在的な美しさが発揮されたり、機能的 により優れていたりする発見の妙味もひそんでいる、


例    民家ーーーーレストラン、物販、展示、アトリエなど、
     空オフイスーーーー集合住宅
     社員寮ーーーーデイサービス、高齢者グループホーム
     駅舎、工場ーーーー美術館

など住み手を変えて、建物を引き継ぎ、生きつづけるなど建物に手を加えて、以前の建物に新たな魅力をつ けること、これが建物のコンバージョンである。
この家の設計にあたっては、建物のコンバージョンをテーマにしている。
 


 





 


 
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