旧家屋

 

昭和44年(1969)の平家住宅である。約40年前の建物は何度かの増改築が行われており、平面が細切れに継ぎ足されていた。
 今回の主な改修点は、まず増築部分を取り払い面積を小さくした上で平面の改良を行うことになった。
 ○根腐れしている柱や土台、床束、根太の取り替え
 ○断熱性の高上、防湿コンクリート打、温水床暖房の設置
 ○水廻りの充実
 ○オープンキッチンとしてリビングルームスペースと子供室の確保
などである。
 改修に当り建主の要望は、単なる住み易さの改修だけでなく、できれば太い古材の架構体を見せ、力強い民家のデザインを強調した空間が欲しいことであった。そのため古材を購入し、居間と食堂の架構に組み込んだデザインにしている。
 これまで古民家の再生を多く行ってきたが、これからは戦後に建てられた普通の民家も単に壊してしまわず、補強・改修を行えば、充分に現代住宅として機能可能であることを確認することができた。

 

工事の流れ

「あさひ古民家センター」で古材探し
大黒柱選び

床板(トコイタ)材

解体を開始
南側の増築部分を撤去

内部の壁を取り払う

柱をカットしたことで弱くなる部分には補強材を入れる
床をはがし床下のチェック
湿気が多かったため急遽、全面に防湿コンクリートを打つことに決まった

梁を組上げる前に古材の仮組みを行う

仕口の加工
やり直した床下
一部大引も取り替えた
古材を建物内部に建て込む 大黒柱には独立基礎を設置
金物使用

柱と梁の接合部金物使用

既存屋根にトップライトを設置
外廻りのサッシ取付け
新規外壁
防水紙の上に木摺
アスファルトルーフィングの上にラス網

床下断熱材

外壁をやり直したところには断熱材を入れた
使える天井板と竿縁を利用

外壁
モルタル下地塗り

壁ラスボード,天井プラスターボードを取付け

造作家具

外壁左官仕上げ

内部左官完成

天井、長押、梁などのアクを取る


コンクリート洗い出し作業


<外観>
増築部分を取払い、複雑に入り組んだ屋根をシンプルな形状へ戻した。
屋根をシンプル化させることで、雨漏りの心配は解消される。

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<キッチン>
改修前のキッチンは暗くて寒いという問題があった。そこでオープンキッチンとし、南面の開口からの陽射しでLDKは明るく、冬でも日中は暖かい。
また温水式床暖房を設置した。

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<廊下>
とにかく暗い、が悩みだった廊下は、トップライトを設け自然光を取り入れる。

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<トイレ>
以前は廊下から奥まった場所にあったトイレ。手前を洗面所にしたことでゆとりのある空間に。