山梨県北巨摩郡にあるこの家は築108年(明治27年)の建物で建主が生家への里帰りに当たっての現地再生工事であった。
古い建物の改修は合理的な方法を取らないと、すぐ新築の家を建てるのと同じくらいの予算がかかってしまう。民家再生は文化財を補修するわけではないため、ほどほどのところの予算で仕上げねばならない。
今回座敷部分はあまりさわらず、水廻りと寒さ対策を主体に改修を行った。
建主は美術の先生で、現在も里山にある自然素材を使っての昆虫模型造りを子供達に教えており、アトリエを含めて社会に開かれた民家として継続し未来へ繋ぐことを目標とした設計である。